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【初心者向け】村上春樹のおすすめ本ベスト9選。

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村上春樹さんといえばその独特の言い回しで多くの読者を魅了してきました。
しかし、逆に言うとこの独特な言い回しのせいで小説などをあまり読まない層の方には「少し難しそう」という印象を与えているということもまた事実です。

そこで、今回は村上春樹さんの作品をまだあまり読んだことがない「村上春樹、初心者」に向けた本を厳選してみました。

ノルウェイの森

兎にも角にも面白い小説です。まず何と言ってもストーリーが良いです。特に感受性の豊かな十代の人は、すぐに物語の世界観に没入してしまうのではないかと思います。事実、自分が初めて読んだ時そうでした。

寝食を忘れ、読書に熱中するというのはこういうことかと思いましたね。
そして、登場人物たちが非常に魅力的なのもこの小説の特徴です。
飄々としている主人公、ミステリアスなヒロイン、危険な魅力に満ちた先輩など、まさにキャラが立った小説です。

また、名言といいますか、いわゆるアフォリズムに溢れた小説であるともいえます。いくつのアフォリズムを見つけられるかというのは、読書の最大の愉しみの一つではないでしょうか。
「したいことではなく、すべきことをするのが紳士」などという言葉は、この小説で学んだ、個人的な人生教訓ですね。

約束された場所で

アンダーグラウンドを読むとこれも読まないわけにはいかない。著者のあとがきが一番印象に残った。思うに彼らは自分のことしか考えていない。自分が救われること、自分が解脱することばかりに興味が行くらしい。厳しい修行も結局は己がため。結局、スピ系サークルや密教系の勉強会などが受け皿になるのだろう。それでもオウムのような事件を起こす団体は稀であろうから(問題点はたったひとつ、タントラ ヴァジラヤーナだけだから)弊害っていってもせいぜい村上氏のいうように「より高い精神レベルにあるという選民意識」を持つぐらいだろう。逆にエリートだからこそ、すっとあっちに行っちゃったんじゃないか」という言葉と併せて、引っ掛かっていたものがすとんと腑に落ちた。「約束された場所で」彼らが見たものを、私は想像することができない。

色彩を持たない多崎つくると 彼の巡礼の年

村上春樹の小説の中にあっては少々地味で目立たないようでもあるがその内容は現実的であり登場人物のひとりが海外へ移住し主人公である多崎つくるが彼女の家を訪ねる際の描写はとても美しく海と風が目に見えるよう。読み終えた後、「亡くなった仲間を殺したのはもしかして?・・・」という疑問と余韻。まさしくこの余韻こそが村上春樹的でこの作品の好きなところである。あとに発表される作品に前作にも登場したかのような人物を紛れ込ませるという作風では最新作「騎士団長殺し」にこの時「色彩を持たない多崎つくると 彼の巡礼の年」で亡くなった(殺された)女性と同じ名前の女性が登場している。そっと紛れ込む日常、誰にでも起きうるトラブル、秘密が忍び混む人生をみごとに美しく描いていて好きである。

スプートニクの恋人

主人公の男性が好きになる子がレズビアンです。
そのレズビアンの子にスポットを当てた小説です。

「すみれ」という名前のおんなの子で、性格がすこし変わっています。この子がとにかくおもしろい。

この「すみれ」が話す言葉や、行動が荒々しく、興味のないことには適当な姿勢も、読んでいて許せてしまいます。
そして主人公は「すみれ」のことが大好きなのですが、いい相談相手でおわってしまっています。そこもなんだか微笑ましいです。

もしノルウェイの森を読んでおもしろいと思った人がいたら、この作品も気にいると思います。

なにせ話の構造がよく似ていて、エンディングも同じです。 スプートニクというのは衛生のことです。
この衛生に関するエピソードがとても切なく、何度読んでも哀愁に浸ることができます。

1Q84

村上春樹の代表作と言った色々と長短編共に面白いのが沢山有る中で私がお勧めする作品と言えば、やっぱり「1Q84」の長編小説では無いかと思います。ノルウェーの森も確かに良いのですけど、途中から物語の流れがどうなって行くのかが不透明な感じを受けるのに対して「1Q84」だと青豆と天吾の二人にスポットを当てているので読んでいても筋書きが解り易い流れの様にも感じます。

其々がこの1984年とは違う1Q84と言う月が2つ存在する世界で生きていく中で青豆は本職のスポーツインストラクターとは違った一面を覗かせ暗殺を行う仕事までこなしています。

一方、天吾は予備校の教師の傍ら小説家の夢を未だに追い求めている青年でも有りそんな異なる二人がこの1Q84の世界でどうやって生き延びどうやって再会を果たしこの世界から脱却をするのかが読んでいて面白いと思いますよ。

羊男のクリスマス

本作は、佐々木マキのイラストが多く入った絵本のような、村上作品の中では異色の作品です。
おそらく村上春樹の最も有名な作品「羊をめぐる冒険」と関連がある作品です。

とはいえ、そんな先入観を持たずに、単純に作品を楽しんだ方がいいと思います。
佐々木マキのイラストは、子供向けの絵本の「ねむいねむいねずみ」シリーズに登場するような可愛らしいイラストです。
そして、村上春樹の語り口もユーモラスな感じで、いわゆる村上節は感じられるものの、優しいイメージの作品となっています。

これまで気付かなかったのですが、「風の歌を聴け」や「羊をめぐる冒険」のカバーのイラストは佐々木マキなのですね。
村上作品の中では異色の「絵本」的な作品ですが、村上春樹的な世界観が別な切り口で表現されていて、私のお気に入りの作品の一つとなっています。

海辺のカフカ

村上作品といえば秀逸に練られたパラレルワールドです。
2つの道が交差する瞬間、この作品はそこに爽快さすら覚えます。

他にもパラレルワールドを描き出す作品は数ありますが、この作品は、「もしかしたらあるのかもしれない」ファンタジーといいますか、子供の頃想像した「もしこの人形が喋ったら…」「もし猫とお話できたら…」というものの延長なのかもしれません。

村上作品の主人公はどこかしら闇の部分を持っています。カフカ少年は父親を恨んでいました。
「品行方正、秀麗眉目ではない」どこにでもいる普通の人だからこそ人間臭くもあり感情移入しやすいのかと思います。
この作品は登場人物が多い方です(猫含)ので、その伏線をたどりながら繋ぎ合わさる線を楽しんでいただければと思います。

不思議な図書館

『いかような本をおさがしになっておられますかな、坊ちゃん?』ここで背中がゾクゾクしたと思ったら、もうこの本の虜でした。
予想もできない急展開から唐突に羊おとこが出てきた時には、久しぶりに同級生に出会ったかのように、懐かしいと感じてしまいました。

しかもマキさんの挿絵ですから、ページをめくるのが勿体なくなり、しばらく挿絵に見入ってしまいました。
「ぼく」の置かれた状況は村上春樹の新著が出版された日のハルキストだったら、たまらなく羨ましいです。
そこからまた不思議な展開と羊おとこの活躍に胸キュンしながら物語は進み衝撃のラスト。

「えっ」と思った次の瞬間には言い知れぬ怖さを感じました。なのに、何故か何度も読み返してしまうのです。村上春樹の魔法にゆる~くかかりたい方にはオススメです。

風の歌を聴け

村上春樹の第1作ですが、既に作家としての独自の個性が様式として確立されているのがよくわかります。

深刻な状況を描くときも軽やかでシンプルな文章なので最初はさらっと読み進めてしまいますが、後でじわじわと感慨が押し寄せてくる。そんな効果的な表現ができる何で、本当にデビュー作なのか?と疑ってしまうほど。だからついつい折に触れて手に取って読んでしまう。

また、思わずメモって後で調べたくなるような海外のカルチャーのキーワードが散りばめられていたり、小指のない女の子といった彼の作品に特徴的なちょっと歪な女性像もすでに登場したりと、後の彼の作品のエッセンスがあちこちに芽吹いているのを探しながら読むというのもとても楽しめます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
この記事がきっかけで村上春樹さんの作品に触れる方が少しでも増えてくれたら幸いです。