今回ご紹介するのはプロブロガーのイケダハヤトさんが書いた「武器として書く技術」である。
一応ブログをやっているので、一度は読んでみたいと思っていた一冊である。
イケダハヤトってどんな人
今さらではあるが、イケダハヤトと聞くと皆さんはどんなイメージを浮かべるだろうか?
「炎上ばかりしている人」「嫌われている人」といったマイナスのイメージもあれば、
「ブログですごいpvがある人」「お金をたくさん稼いでいる人」といったなんとなくすごいというイメージを持っている人もいるかと思う。
この本が出版されたのは2013年6月、まだ今ほど他人の感情を逆なでしてpvを稼ぐといった方法をやってはいない時期だ。
といっても目次1発目が「文章が残念な人の10の特徴」なのでイケハヤ節は炸裂であるw
結論 読んでよかった
まず読んでよかったのかという結論から言わせて頂きたい。
読んでよかった。
本当に読んでよかった。
なぜならどうすれば「読まれる文章を作れるのか」がちゃんと具体的に書かれていたからである。
正直読む前はひたすらに「サラリーマンはカス!」「さっさと辞めてブロガーになれ!」といった罵詈雑言を投げつけられ続け最後まで読む前に本を破り捨ててしまうのではないかという懸念が1ミリだけあったがそれは杞憂に終わった。
細かいほどに具体的に書かれている
じゃあ何がそんなに具体的なのかと言うと、どんな状態が読まれない文章でどんな文章が読まれる文章なのかが細かく書いてあるのである。
例えば先ほど目次で例に挙げた「文章が残念な人の10の特徴」は以下の構成になっている。
残念その①何が言いたいのか分からない
↓
例で実際に何が言いたいのか分からない残念な文章を紹介
↓
残念な文章を読まれる文章にする魔法のレシピ紹介
↓
魔法のレシピを使って残念な文章を改造
↓
読まれる文章に変身!
という流れである。
こんな感じで非常に分かりやすく順を追って書いてあるので非常に読みやすく頭に入るのである。
これ以降もブログのマネタイズや1ヶ月に何文字書けばいいかなどが様々なことが具体的に書いてある。
スラスラと読める本だった
「文章を書く技術」といった内容の本は巷では溢れかえるほどあるが、大抵のものはその本自体が小難しくて読みにくいのである。
いわば本末転倒。
しかし、本書はなんというかとてもスラスラと読めた。
さすがは月に100万人に読まれるブロガー。
どんな文章が読みにくくてどんな文章が読みやすいのかを、本人がちゃんと把握しているのでとても読みやすい。
どんなに素晴らしいことが書いてあっても読みにくければ意味がない。
最後まで読むことができて初めて本は1冊の本としての価値を発揮する。
そういった意味でもしっかり払った分のお金を回収できる1冊である。
イケダハヤトさんの優しさが見える1冊だった
この本では一貫してブログでメシを食べるのは難しいと言っている。
今でこそ「サラリーマンは面白くない!」「高知最高!」などと言って多くの人の感情を逆なでしているイケダハヤトさんではあるが、この本ではブログで食べるのは本当に難しいと言っている。
なので少なくともこの本を読んで「僕もプロブロガーになる!!!!!」「海賊王になる!!!」という被害者は現れにくいだろうと思う。
当のイケダハヤトさんは月になんと40万文字も書いているというのである。
しかもただの読みにくい文章ではなく人にちゃんと読まれる文章レベルの文字を40万文字というのだから、そりゃあブログで食べていかれるだろうなあと思った。
この時点でブログで食べていくというのは極めてハードルが高いことが分かる。
そういったことをちゃんと言って「ブログで食べていくことは難しい」と教えてくれることにイケダハヤトさんの優しさを垣間見た。
つまり、「プロブロガーになる方法」などは一切書いてなく、この本はあくまで純粋にどうしたら読まれる文章を作れるのかという一点に集中した良書である。
イケダハヤトさんもあまり人の感情を逆なでするようなことばかり言わず、こういった人に役立つノウハウを自慢を入れずにだせばこんなに嫌われることはなかったのではないだろうか。
と言っても彼は月に数百万も稼ぐプロブロガーなので彼なりに考えがあって今の戦略をやっているのかもしれない。
という訳で、純粋に文章が上手くなりたいという人にはおすすめの一冊である。